2010年度の実現をめざし、国会議員の新議員会館が永田町で建設中です。現在の約40平方メートルから約100平方メートル、約2.5倍の広さをもつ議員事務所をなります。総工費は約1700億円。財政難というのにどこ吹く風。各事務所には1台の駐車場スペースも確保され、民間なら月額150万円にもなるというもの。こんな豪勢な事務所はもちろんタダ。月額100万円の無税で領収証もいらない文書通信交通滞在費もあるのに、国会議員にとっては至れり尽くせりの施設です。国民の生活とはまるっきりはなれた施設が建設中です。
今年4月からは衆議院赤坂議員宿舎が完成しました。一部屋3LDK(約82平方メートル)で家賃は月額9万2000円と超破格。ここも駐車場付き。赤坂付近では駐車場だけで家賃の9万円もするところがあります。あの赤城前農水大臣も都内に高級住宅を所有しながら入居したり、杉村太蔵議員もこの特権を謳歌しています。国民の厳しい目もあり、現在空き室は100室もあると言われており、その実態は明るみになっていません。また参議院も衆議院のセレブなタワーマンションに刺激され、千代田区紀尾井町に新宿舎の建設を予定していますが、住民の反発で足踏み状態です。
実際の議員会館は確かに狭いことは事実です。しかし、だからといって全国会議員が秘書スタッフを多数抱え、狭い訳ではありません。地元に事務所を設けているため、議員会館は単なる連絡事務所としている議員も多いのです。新議員会館は打ち合わせスペースもあり、使い勝手も良さそうですが、全員がこの広さを求めているのかというと疑問が残ります。国の財政が余裕もあり、国民の生活も安定し、格差社会も解消され、経済も上向きなどという時代ならともかく、いまの時期は国民から納得のいく時なのでしょうか。議員特権の見直しが叫ばれているのに、またしても国会議員だけが国民の生活実感から離れた活動をしていたのでは、政治への信頼感など生まれるはずがありません。
国会議員にはJR無料パス券、都心一等地の議員宿舎、公設秘書3人など数々の議員特権がありますが、一人一部屋の無料議員事務所も特権のひとつです。地方議員にはありえない個室の事務所だからです。いまや2世、3世議員、官僚出身議員が多い国会になっており、フツウの国民の目線ではなくなっているところが問題です。2.5倍の新事務所に当然のようにタダで入居、都心一等地の議員宿舎に格安で入居、屋根付き駐車場などフツウの生活感覚を持たない国会議員が増えてしまっているから、こんな豪華施設を何のためらいもなく作ろうということになるのです。
1円からの領収証、政治とカネなど自ら法律をつくる国会議員が自ら真剣に法律を作らないようです。新議員宿舎も新議員会館も国会議員自ら超豪華施設にしました。国民から遊離した国会になってしまったことは残念でなりません。これでは税金のムダ使い、官僚政治反対、天下りのことも言えなくなってしまいます。
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