福田内閣が発足しました。
1年前、戦後最年少52歳の安倍晋三首相を参議院選挙用に選出した自民党。自らの幼稚さで自滅。さらに今回の首相もわが国では初めて親子二代にわたる総理大臣とまたしても二世議員です。かつての安倍親衛隊は一体どこに消えてしまったのでしょうか。辞任会見、病院での会見での安倍首相の弱々しさ、目はうつろで親衛隊のサポートが失くなっていました。安倍首相を理想の人として推薦したチルドレン議員は今なにを考えているのでしょうか。仲良しクラブはすでに福田支持に動き、永田町の住人は変わり身が早いのです。小泉改革継承を華々しく語っていた勇姿は、あっという間に国民の目から見えなくなってしまいました。そして次に登場したのも、二世議員、政治家一家の財産を受け継いできた福田康夫新首相です。
福田内閣は90%が安倍内閣を引き継いだもの。新首相となった福田康夫氏は「国民への説明責任を果たしたい」と低姿勢ですが、実は国民よりも党内派閥の代表のみに説明責任を果たそうとしているようです。麻生派を除く、全ての派閥の支持を取り付け、閣僚も党役員には派閥の代表・幹部を就任させ、オールド自民党で安定政権のイメージをつくろうとしています。この根底にあるのがわずか1ヶ月前に発足した安倍改造内閣です。福田内閣はこの布陣をさらに派閥代表政権に強化させ、「改革を止める」勢力に目線を置いたもの。その時首相は安倍さんでなくても、誰がなっても違和感も個性もない内閣と酷評したことがピタリと的中してしまいました。
年金のデタラメ、テロ特措法、政治とカネの問題などが山積しているのに、国会を休会状態にさせた責任は全て自民党にあります。国際公約とするテロ特措法が国家にとって大事とするならば、こんな空白をつくったことを国民にどう説明するのでしょうか。国際社会から取り残される、アメリカから見放される、北朝鮮からミサイルが、などの脅しはどこにあるのでしょうか。国会を休会にさせ、党内抗争を繰り広げている時間的余裕はいっぱいあるようです。テロ特措法が大事だと言葉で言ってみても、国民は政治家の言葉は信用していません。「小沢さんに会談を断られたから辞任」と説明していた安倍前首相の言葉はむなしいもの。「政治不信の解消に全力を挙げる」と強調すればするほど、福田内閣、自民党政治の無責任さが浮き彫りになるばかりです。福田首相も苦労するでしょう。
舛添厚労相のように、役人の悪行に怒りを表すことは結構なことですが、その根源である官僚政治を改革する道筋を示さず、単なる怒りだけでは解決への道は見えてきません。パフォーマンスありきのゼスチャーでしょう。安倍前首相が「年金問題は1年以内に解決する」と明言した自公政権ですから、福田政権もこのことは忘れずに実行して欲しいもの。しかし記録がない状態ですから、どうやって解決するのかが課題です。官房長官に町村派会長自身が就任し、森元首相の院政は歴然としてきました。ひとつの派閥だけが明るい未来なんて自民党内にも格差社会が生まれています。若手の中からも第2、第3の派閥からも総裁候補を擁立できない人材不足は深刻です。政治家一家だけがヤクザ社会と同様にカネと力で潤っていく自民党です。言葉や怒りのパフォーマンスでなく、二世・三世議員の力でなく、国民のバックアップで官僚政治そのものにメスを入れる時ではないでしょうか。
日本はいかに国はおろか地方自治体までも無責任政治、官僚政治に侵されているかを私は終始一貫訴えてまいりました。消費税の増税問題もこれから議論になりそうです。役人の無駄遣いをやめれば消費税の増税の必要はないのです。
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