小沢一郎民主党代表の辞任騒動で、民主党は大きな痛手を負ってしまいました。福田首相との会談で「大連立構想」が浮上し、小沢代表が民主党役員会で拒絶されたことから「党から不信任を受けた」と辞表提出。そして「恥をさらすが頑張る」と撤回したことから、政治家の言動にまたまた信頼性を傷つけた自体となりました。自公政権に早期の解散を求めていたことが空虚の言葉にとらえられてしまいました。小沢代表は自民党を離党し、新生党を誕生させた「改革の原点」に返って、来るべき総選挙では民主党の先頭に立って戦っていただきたいと思います。
大連立構想は封印されましたが、与党との政策協議は続けられます。ねじれ国会の中で安全保障、憲法など国の根幹にかかわる問題については、はっきりとした方向性を打ち出すことが政権交代を近づけることになります。自衛隊の海外派遣についても、国民の総意にもとづく議論が必要です。単なる反対では55年体制の自民党VS社会党と同じになってしまいます。年金問題、族議員・官僚政治改革でも自公政権との対立軸を明確にすべきです。民主党の主張を国民に訴えていくことで、支持拡大は可能になってきます。政権交代によって、守旧派の政治構造を破壊させることができるのです。
今回の騒動では自民党の老獪さが浮き彫りにされました。権力闘争のすさまじさをもっと民主党は再認識する必要があります。「連立の提案は小沢代表」との一部マスコミ情報に翻弄されて行動するのではなく、その本質を精査する姿勢が大事です。ひとつの情報だけで行動するのは、まさに偽メール事件と同じになってしまいます。小沢代表が無原則に自公にすり寄るはずがありません。参院選での勝利をいちばん理解している代表が、国民の期待を裏切る行為を取るはずがありません。民主党は情報収集能力を高め、自民党組織の強大さ、自公政権の深謀をもっと理解することが求められます。権力を奪うことがどれほど大変なことであるかの認識があまりにも弱すぎます。「これでは次の選挙に勝てない」という小沢代表の言葉を民主党の全議員がかみしめるべきではないでしょうか。
小沢代表のカリスマ性、求心力うんぬんを言う前に、まず民主党組織の現状をもっと認識することで、来るべき総選挙勝利を考えるべきです。政権交代を街頭に立って訴えればカンタンに勝利できる状況ではありません。ポスターやビラを目立つものを作ったり、嫌われない服装とか、メガネよりコンタクトをなどなど、選挙の戦術を考える前に、戦略を考えるべきです。自民党もですが、とくに民主党は若い議員は多く、経験のあるベテランが少なくなりました。これで政権交代を目指すのではいささかぜい弱なように見えます。「福田・小沢会談」「民主党拒絶」「小沢代表辞任撤回」のキーワードをもっと深く考える中から、新たなる政権奪取の方向性を考えることが大事ではないでしょうか。今回の騒動で、大連立構想の仕掛人はこんな民主党の混乱をいちばん喜んでいるようです。
官僚政治が改革されては、大新聞社も大派閥のボスも困ることがはっきりとした出来事でした。
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