ガソリン税の暫定税率廃止で、国民は大喜びです。久しぶりの減税です。ガソリンを安くすることを公害や浪費をするからと屁理屈をつけていますが、「風が吹けば桶屋が儲かる」式の話です。政治の世界では「理屈は後で貨車が運んでくる」とかつて春日一幸代議士が言った話があります。
道路特定財源の見直しで、一般財源化をやっと政府も口にするようになり、族議員の利権にメスが入りそう。昨年の参院選での与野党逆転の結果が今日の事態を生んでいます。しかし、しがらみ政治から脱却できない自民党はいまだ衆議院での圧倒的な議席の上にあぐらをかいた国会運営により新しい時代での国会をつくろうという熱意はまったく見られません。族議員政治の利権にメスを入れようとしても、彼らの反対でしぼみがち。官僚の側に立っている福田首相だからこその結果であることがわかっていません。このわからないいら立ちが党首討論で福田首相の「ぼやき」になったようです。官僚と族議員は共通の利益の上に立っています。
自民党内にはガソリンの引き上げに反対する動きもあります。特定財源を廃止して一般財源化を明確にすればするほど、自民党内はザワめいています。来年度から一般財源化することを決めたのなら道路整備財源特例改正案は廃案にしなければなりません。けれども彼らは「必要な道路はつくる」などというあやふやな言葉でこの政局を乗り切ろうという旧来の手法ではまったく新しい時代の政治は不透明。必要な道路とはどこの道路か具体的に明らかにすることができません。道路は人と車のためにあるとするならば、必要な道路は3分の1です。ですから必要な道路の基準を作れと言いたいのです。日銀総裁人事では、明確にNOを示した民主党ですから、道路問題でもカンタンに与野党合意が生まれるはずがありません。民主党のように族議員政治反対を表明するのか、自民党のように官僚政治を続行するのか、この大きな決断がいま国民に求められています。4月29日投票の衆議院山口2区補選は、その選択を求める絶好の機会です。
道路特定財源を守ろうという親官僚派たちからの反撃が始まろうとしています。小泉、安倍政権での構造改革路線のひずみや格差を解消することなく、のんきにその路線を引き継いだ福田首相の構造的欠陥が生じてきました。いままで特定財源でなければ地方の道路はつくれないと大騒ぎしてきた族議員たちは、最近は一般財源化を受け入れようという姿勢も見えてきました。これが彼らの大反撃なのです。明確に一般財源化を表明するのではなく、あやふやに問題を先送りしようとする旧来の自民党的手法にすぎません。4月から原油や穀物価格も急騰し、家計への打撃があろうとも、ガソリンを25円値上げを平然と行う姿勢は、まさに消費者ではなく官僚の側に立った政策です。あやふやな決着を図ろうとする族議員たちの野望は徹底的に追及すべきです。
福田政権がこのまま泥沼内閣のまま沈没すれば、平成の政界大異変がおこりそう。国民からも自民党からも嫌われ者になれば福田政権は存続できません。安倍内閣をほぼそのまま受け継いだことで、福田カラーが発揮されないままの無策で今日まできてしまいました。国会運営がうまくいかなければ他人のせいにするだけでは日本の未来は切り拓けません。すでに自民党内からもクーデターの火種はつきはじめています。民主党も生活実感のない政党にならないようにすべきです。日本書紀には、仁徳天皇はかまどの煙を見て民の暮らしをはかり善政を敷いたという話があります。今でもこれが政治の原点だと思います。
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