年金記録5000万件の不明問題で、いまや国民の怒りは頂点に達しています。自民党は急きょ作成したビラで「年金は大丈夫」と火消しに懸命になっています。このビラには5000万件の年金記録が消えたのは菅直人民主党代表代行(当時の厚生大臣)が、基礎年金番号設計導入時に万全を期していなかったからと悪口だらけ。さらには常識はずれの慣行を当局に認めさせた社会保険庁の労働組合は、民主党最大の支持団体などと批判。民主党が社会保険庁のナマケぶりを擁護してきたから責任があるといわんばかりの攻撃ビラです。
こうしたエゲツない中傷では、国民が納得するはずがありません。森元首相は「いかがなものか」と苦言を呈し、個人攻撃の部分を訂正。与野党が力を合わせて国民の不安を取り去ろうとしているのに、たった1日で法案を通したり、中傷ビラを流していたのでは、まともな国会論戦ができません。10年前の基礎年金番号導入時の責任問題をあげつらうことよりも、5000万件の年金不明を解決しないままに社会保険庁を解体して新組織をつくったところで、同じ誤りの繰り返し。天下り官僚による3億円を超える退職金報酬問題、さらには厚生国民年金保険料6兆円がグリーンピアなどの福祉施設をはじめ年金支給以外に流されていたことなど、社会保険庁の本質を論議しなくては解決の道などみえてきません。個人の責任でこんなデタラメが通用していたのではなく、年金制度の仕組みそのものを考えるべきなのです。
社会保険庁のデタラメぶりは、福祉の増進のために保険料の使用を認める法律があり、リゾート施設に年金保険料が浪費されてきました。国会は法律をつくるところ、与野党が徹底的に議論して安心の年金制度をつくるべきです。10年前に年金記録を一人一口にする作業で、約3億口の年金記録が存在。基礎年金番号に名寄せした結果、5000万件もの不明がいまなお存在していることは、社会保険庁の怠慢であり、情報公開をおこたってきた政府の責任は明らか。国家の犯罪でもあります。年金保険を流用し、毎年20兆円もの保険料を手にしている社会保険庁のあり方を論議すべきではないでしょうか。先進国では年金保険料を集めて年金支給している例はなく、分離させることで格段に透明性が向上しています。
国民が納めた年金は申請しなければ支給されず、お金を払った者よりお金をもらった者に立証責任がない仕組みなど、現状の制度は欠陥だらけ。5000万件に加え、さらに1430万件もの入力漏れも発覚。こんどの参議院選挙は当然年金問題が争点になってきます。かつて100年安心の年金などと豪語していた大臣も、いまや口をつぐんだまま。安心の年金は国民一人ひとりが納めた年金保険料が確実に戻ってくる仕組みをつくるのが第一歩です。金融機関はしっかりと仕組みをつくっているのに、できないはずがありません。責任のなすりつけあいではなく、政策の違いを論議する国会を国民が見守る中で、7月の参議院選挙に臨んでいきたいと思います。国会はどんな法律もつくることができるところなのです。
年金問題を解決する事は今となっては出来ません。そこで政府は時間稼ぎのために民間に移譲すると発言していますが、どこがやろうと問題解決にはなりません。政府・自民党が得意な時間稼ぎ。そのうち国民は忘れるだろうと思っているのでしょう。今までがそうです。また自民党がそのうち目新しい花火を上げて目を逸らさせる魂胆です。
年金は国民一人ひとりの人生の砦です。政府や自民党が何を言おうが絶対に解決しない問題です。これで参議院選挙で自民党が勝利するようなことがあったら国民の責任も問われます。
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